2021年01月25日ニュースリリース
自家CAR-T細胞療法の臨床研究に関する名古屋大学からのプレス発表のお知らせ
~当社は名古屋大学と連携し、本治療技術の製品化・実用化を目指します~
本日、名古屋大学より、かねてから実施されておりますCD19陽性急性リンパ性白血病に対する自家CAR-T細胞療法の臨床研究に関して、患者さまへの投与が終了し、その安全性と一定の有効性が確認されたことのプレス発表がありましたので、お知らせします。
名古屋大学大学院医学系研究科小児科学分野の高橋義行教授、先端医療開発部の西尾信博特任講師らの研究グループは、信州大学医学部小児医学教室の中沢洋三教授らの研究グループと共同で、非ウイルスベクターであるpiggyBacトランスポゾン法※を用いたCAR-T細胞の培養法を開発しました。その培養法を用い、2018年2月より、名古屋大学医学部附属病院において、化学療法抵抗性または造血細胞移植後再発性のCD19陽性急性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法の安全性に関する臨床研究が行われていました。この度、16歳から60歳の3人の患者さまへの投与が終了し、その安全性と一定の有効性が確認されたことが報告されました。
また、本日のプレス発表では、タイ王国のチュラロンコン大学において、名古屋大学医学部附属病院が支援している同培養法を用いた臨床試験が実施され、悪性リンパ腫の1人目の患者さまへの治療が安全性に問題なく進められていることも合わせて報告されました。
詳細は、下記名古屋大学のお知らせをご覧ください。
当社は、日本の再生医療のトップランナーとして、2007年に国内初の再生医療等製品となる自家培養表皮の製造販売承認を取得し、2009年より保険適用を受け販売を開始しました。また、2013年に整形外科領域での自家培養軟骨、2020年に眼科領域での自家培養角膜上皮も領域初の再生医療等製品として製品化を実現し、製造販売を行っています。当社は、これまで培ってきた自家細胞を用いた再生医療等製品のプラットフォーマーとしての経験とノウハウを生かし、日本の大学発のシーズを企業が引き受けて実用化する産学連携の流れを加速させたいと考えています。今後も名古屋大学と連携し、早期に企業治験を実現するとともに、患者さまの生活の質(QOL)向上に貢献できるよう本自家CAR-T細胞治療技術の製品化・実用化に取り組んでまいります。
用語説明
piggyBacトランスポゾン法: 酵素ベクター法の1つであり、ウイルスベクターを用いず、ある特異的な配列に挟まれた遺伝子を染色体に組み込むことのできる遺伝子導入法。
ご参考
自家CAR-T細胞製造技術の特許ライセンス契約締結に関する当社ニュースリリース(2018年6月21日)